飲酒対策飲料の市場動向調査

2019.10.28

現在市場に流通している主な飲酒対策飲料(二日酔い、悪酔いに効果有りとされている飲料)について、市場動向調査を行いました。

調査報告書日付令和元年10月21日
調査対象飲酒対策飲料、スポーツサプリメント(参考)
調査機関弊社委託機関

序章

飲酒後に於ける体内の仕組み、肝臓の働き、アルコールの影響についての説明
アサヒ飲料のウェブサイトより抜粋、厚労省健康情報サイトにも同様な情報あり)

飲酒と体内機能

飲酒により体内に取り込まれたアルコールは、胃から20%、小腸から80%が吸収され、その大部分が肝臓で処理されます。

肝臓内では、まず、ADH(アルコール脱水素酵素)やMEOS(ミクロゾームエタノール酸化系)により分解され、悪酔いや頭痛、動悸の原因ともなるアセトアルデヒドになります。

さらに、肝臓内のALDH(アルデヒド脱水素酵素)により、酢酸へと分解されます。

この酢酸は血液により全身へめぐり、水と二酸化炭素に分解され、汗や尿、呼気中に含まれ、体外へ排出されます。

肝臓の働きとアルコールの影響

肝臓は、栄養分などを取り込んで体に必要な成分に換えるという、「代謝」の働きをもった重要な臓器です。

また、不要な物質を解毒し、胆汁を排泄する働きもしています。

ところが、アルコールを大量に飲み続けると、肝臓での中性脂肪の合成が高まり、その結果、肝臓に中性脂肪が蓄積した状態の脂肪肝になります。

さらに飲酒を長期間続けると、 肝臓に線維が形成されて肝線維症や肝硬変になり、肝細胞が急激に破壊されてアルコール性肝炎になる場合があります。


【調査対象商品】現在市場に流通している主な飲酒対策飲料

A:レバリズム-L(1回分¥185)原料、海産物系
B:エカス(1回分¥380)原料、植物系
C:シジミの力(1回分¥190)原料、海産物系
D:ヘパリーゼ(1回分¥110)原料、海産物、植物
E:秋ウコンホワイト(1回分¥92)原料、植物系
F:参考としてスポーツサプリメント

各商品の特徴及び飲用者の感想および口コミ

A:レバリズム-L

  • しじみや牡蠣といった海産物系サプリとは思えないほど、匂いはありません。
  • 他のサプリと比較しても、匂いは無い。サイズは小さく飲みやすい。
  • 今まで500円~1,000円くらいのサプリを数種類飲んでいましたが、摂取している成分がほとんど同じでひとつにまとまっていたので、レバリズム-Lに変更しました。
  • お酒が好きでよく飲みますが、レバリズム-Lを習慣にしてから翌朝ツライと感じることがなくなりました。
  • 当方30代ですが、最近あまりお酒が飲めなくなったと感じていました。
  • 日中どうにも体が疲れると思っていた矢先、モニター価格でレバリズムを試す機会を得ました。それ以来、仕事と趣味のトライアスロンに快適に打ち込めています。
  • 楽天市場で購入。めっちゃ高かった。公式サイトのキャンペーンを知らなかった。
  • まだ2日目なので効果がわからない

B:エカス

  • スルリと飲めるカプセルタイプ。海外製の巨大なソフトジェルカプセルと違って女性でも飲みやすい大きさです。
  • 開封後温かい場所に置いておくと、独特の匂いが若干出てきます。飲む際にはあまり気にならないので毎朝1錠ずつ飲むことにしました。
  • いきなりお酒に酔わなくなるとか、強くなるとかは絶対にないです。ただ飲み続けると徐々に悪酔いは減りました。というか、お酒が入るようになった。あたしの商売にはうってつけでした。あと他人に見られても恥ずかしくないパッケージはよかった。お試しで1ヵ月飲みましたが、朝のつらさが軽減されたように思えます。
  • 口コミを見て、良さそうだなと思い購入しましたが、中に入っている成分の効果だけでいえばしじみ系のほうが私には合っていると気づかされた商品でもあります
  • 朝のなんともいえない気持ち悪さの症状は確かに軽くなりました。あとはなぜか肌荒れがよくなった。二日酔いで朝がツライと感じてから使った初めてのサプリがエカスでした。なので自分が植物系のサプリ、海鮮系のサプリ、どっちがあっているのかはわかりませんが、実感はできたので今後比べてみようと思います
  • 少し薬っぽい匂いがあります。正直言うと効き目はヘパリーゼと同じくらいだと思いました。飲み続ける手間が面倒な人にはおすすめしません。普段サプリを忘れずに飲める人向け。

C :シジミの力

  • 台湾のファーレンで採れる巨大な「黄金しじみ」を長時間煮詰め、さらには身も分解し再度煮詰めるという。特濃しじみエキスにこれまた大量の肝臓エキスをプラスしたどストレートなサプリメント。オルニチンの錠剤を直飲みよりシジミの味噌汁を飲んだほうが効いたという人にはうってつけかと思います。結構しじみ系サプリって匂いが強いものもあるのですが、無臭です。
  • だいたい5日を過ぎたあたりから、実感がありました。錠剤系サプリは2週間前後継続しないと効果が見えないというのが経験則だったのですが、意外と早くて驚きました。オルニチン単体よりははるかに体感がある。昔からお酒の後にはしじみの味噌汁やしじみラーメン、ハマグリラーメンなどを好んで食べていたのですが、「やわたしじみの力」が体に合っていたのかもしれません。
  • 映像制作の仕事をやっていて常に寝不足なのと、飲み会が続くことも多いのでお守り代わりに購入。あのアルコールが抜けきらない感じや、朝の胃の不快感も緩和され、だるさを感じることが少なくなりました!今まで飲んできたしじみサプリの中ではダントツにクオリティが高かったです。
  • 安いし、全額返金保証があったので購入。飲み始めて5日経ちましたがあまり効果はわかりません。飲み続けてみようと思いますが、とりあえずパッケージがダサい。

D:ヘパリーゼ

  • 小粒で飲みやすいです。女性でも飲みやすく、スルッと喉に通ります。たまに錠剤サプリは匂いの強いものがありますが、まったく気になりません。含有成分はドリンクタイプのヘパリーゼとほぼ同じ。なので、レバリズムやエカスといった他社製品と比べると少し成分が貧弱に思えます。
  • 肝臓エキスに加え、オルニチン、セサミン、Lシスチンなどを含有しています。この辺りは他のサプリメントでもよく見る顔ぶれ。ただし即効性はあんまりない気がします。
  • 普通のやつより効く気がします。毎日飲んで肝臓を健康にしたいって人は定期便が便利だけど、ここぞという時だけで良い人はお試しタイプでいいかも。
  • たまにコンビニでドリンクタイプ買って飲む程度なので、わざわざ錠剤タイプを買う必用はないかなと言ったところ。

E:秋ウコンホワイト

  • 毎日午前中に1粒食べ、1か月ほど使用して、体感した効果としては、飲酒した翌朝の胃の痛みが減った。二日酔いの吐き気の軽減。顔色のトーンが明るくなった。飲み疲れることが少なくなった。
  • 毎日午前中に1粒食べ、1ヶ月ほど使用して体感した効果としては、飲酒した翌朝の胃の痛みが減った。二日酔いの吐き気の軽減。顔色のトーンが明るくなった。。飲み疲れることが少なくなった。
  • もともと飲み会の前には必ずウコンドリンクを飲んでいました。あの有名なやつです。今回は忘年会がゴッソリ入ったので、コンビニでドリンクを毎日買うよりはいいかと思って購入。毎晩服用して効果てきめんでした。いつも12月付近は乾燥肌でボロボロなのに、なぜか化粧ノリがよくなったのも良かった。
  • お酒を飲みながら食べたのに、次の日の二日酔いの頭痛やだるさはあまり変わらなかったです。気持ち悪さはちょっとだけ解消された気がしますがプラシーボ効果じゃないでしょうか。

F:スポーツサプリメント

特に飲酒後に用いられる「悪酔い防止に効果有り」と言われている、スポーツサプリメント(燃焼系)に着目。実際にスポーツサプリメントを服用するスポーツ愛好家20人に、飲酒後のスポーツサプリメントを飲用して貰い、後日感想を聞いてみた。

※サプリメントを服用しなかった時との比較

 人数(20名中)代表的感想
肯定的13名

ア: 翌朝、スッキリ起床できた。翌日、身体の気だるさが無かった。飲酒すると睡眠が浅くなる事が多いがぐっすり眠れた。食べ疲れが軽減。味覚が良くなった気がする。

イ: 半信半疑であったが、翌日スッキリ過ごせた事を考えると効果があったのだろう。「目から鱗」ではないが、二日酔い防止剤や整腸剤が廻りに無い時に有効だろう。

懐疑的7名

ウ:体温が上がったのか、いつもより水分補給が多くなった。この水分補給も関係するかもしれないが、大きく変化があったか?と言えば、どちらとも言えない。

エ:パッケージに「燃焼系」「アミノ酸2200mg」と印字されている物を購入、服用。正直に言えば、効果を感じなかった。(飲酒量が多かったのも関係するかも?)

条件:
深酒せず少量から中量くらいを依頼(ビールなら500CC~800CC程度。焼酎なら2杯500CC~600CC程度。ウィスキー水割り500CC程度を目安)

スポーツサプリメントは、常時、個人で利用している物を飲用して貰った。各自で好みの違いが有る為、メーカーを指定しなかったが、概ね「燃焼系」を常用していた。価格帯は1回分、¥120~¥350程度の、顆粒状が多い。水溶性の物は少し高くなり¥300~¥400程度。


1 販売予測シーン

上記スポーツ愛好家20名への聞き取りでは、ドラックストア、ファーマシー、スーパーマーケット等で購入しているとの回答があった。スポーツサプリメントについては、スポーツショップ、ドラックストア。接待等会食、宴会、飲食前後(自身の体調管理必然時)に購入、服用。

2 望ましい販売価格帯

市場では、タブレット、カプセルは¥120~¥400、液体状は¥110~¥400。スポーツサプリメントは¥100~¥600程度で販売されている。
※定期購入している、肝機能系サプリの月平均購入額は¥4.000~¥5.000

3 その他、社会的可能性

今回調査した中で、「二日酔い対策ドリンク(タブレット含む)」はウコンを中心にしたドリンクだけで、300億円市場。(「健康産業新聞」より抜粋、海産物の原料を使用した商品は含まれていない)

ウコン以外の原料を使用した製品も続々と市場に参入している。
(ハウスウェルネスフーズ、ゼリア新薬工業、興和、大正製薬、サントリー、日本コカコーラ、キリン、佐藤製薬等)

これに、スポーツサプリメントの効能を含めれば、大きな市場となる。

4 所感

二日酔い対策として、飲酒の前の摂取が大まかに認知されているが(飲酒後摂取の製品もあり)、ウコンや海産物系のオルチニン等を原料としたサプリメント(タブレット)は主に普段から体調を整える役目もあり、毎日の摂取により効果が出て来る反面、「摂取を忘れがち」「毎日が面倒」「持ち歩きも忘れる」等の声も聞かれる。

飲み続ける事で効果が出て来るので、飲み始めの効果は実感が薄い。

また1日あたりの費用は安価でも、1ヶ月単位であれば、高価になる。

ドリンクタイプであれば、「その場で購入、摂取」ができるメリットもある。効果は、その時々で個人によりけりではあるが。

この他にスポーツサプリメントの効能を、一部の成分配合を変え(製品名も)、製品化する事による市場参入は大きなチャンスと思われる。

メリットとして、毎日摂取する必要が無い。購入可能場所も、二日酔い対策ドリンクやタブレット、場合によってはスポーツ店等で販売可能。

二日酔いドリンクと比較した場合、メリットは同等でデメリットは無い。

全てのタイプ(タブレット、ドリンク)の中には、法的なレベルの範囲での成分を使用し製造されているが、科学合成された成分もある。

このような「食の安全」ではないが、海外製品にも、似たような製品があるもの(当然検査されて正式に輸入されている製品)、売れ筋商品に日本製品が上位を占めるのであろう。

全ての製品ではないが、「身体に安全な自然食材のみを使用」と言った製品もあるが、価格に反映され多少、高価格になったとしても安全な商品が望まれる。

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