スズメバチ抽出液飲用によるアルコール代謝時間変化の測定に先立ち、市販の呼気アルコール検知器(ハンディータイプ)の性能比較試験を行い、その信頼性を調査しました。
期間 | 令和元年9月2日~10月15日 |
検査機関 | 弊社委託機関 |
検査対象者 | 複数名6名に検査を依頼 |
検査方法 | 飲酒終了30分後に1回目、60分後に2回目。 |
検査機器 | webサイト等で一般的に販売されている商品から選定。 価格帯、計測数値を測る方法も2種用意。(半導体センサー、燃料電池センサー) |
検査機器
検査機 | メーカー/モデル | 市場価格 | タイプ | 測定範囲 (mg/l) |
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A | D社 | ¥1,660 | 管 | 0.05~1.0 |
B | T社 / FC型 | ¥54.000 | 管 | 0.01~0.25 |
C | F社 | ¥2,004 | 吹 | 0.02~0.05 |
D | C社 / SC型 | ¥8,565 | 吹 | 0.01~1.0 |
E | T社 / EA型 | ¥2.980 | 吹 | 0.05~0.5 |
F | TM社 / AC型 | ¥20,100 | 吹 | 0.01~0.15 |
管:検査機本体に繋ぎ計測するタイプ(ストロータイプ)
吹:呼気吸引口に息を吹きかけるタイプ
E:燃料電池センサー式
A、B、C、D、F:半導体センサー式
Cは、商品開封時に動作確認後、2~3回の使用で電源ボタンに不良が発生し、不動となったため、試験対象から除外した。
実測データ(抜粋)
酒量レベル1(ビール500ml+ワイン180ml/純粋アルコール55g程度)
検査機 | A | B | C | D | E | F | |||||
1回目 A - 1 | 2回目 A - 2 | 1回目 B - 1 | 2回目 B - 2 | - | 1回目 D - 1 | 2回目 D - 2 | 1回目 E - 1 | 2回目 E - 2 | 1回目 F - 1 | 2回目 F - 2 |
|
平均(mg/l) | 0.19 | 0.25 | 0.13 | 0.21 | - | 0.19 | 0.29 | 0.17 | 0.25 | 0.13 | 0.15 |
酒量レベル2(ビール500ml+ワイン360ml/純粋アルコール80g程度)
検査機 | A | B | C | D | E | F | |||||
1回目 A - 1 | 2回目 A - 2 | 1回目 B - 1 | 2回目 B - 2 | - | 1回目 D - 1 | 2回目 D - 2 | 1回目 E - 1 | 2回目 E - 2 | 1回目 F - 1 | 2回目 F - 2 |
|
平均(mg/l) | 0.17 | 0.28 | 0.16 | 0.24 | - | 0.22 | 0.30 | 0.24 | 0.33 | 0.15 | 0.15 |
酒量レベル3(ビール1,000ml+ワイン360ml/純粋アルコール110g程度)
検査機 | A | B | C | D | E | F | |||||
1回目 A - 1 | 2回目 A - 2 | 1回目 B - 1 | 2回目 B - 2 | - | 1回目 D - 1 | 2回目 D - 2 | 1回目 E - 1 | 2回目 E - 2 | 1回目 F - 1 | 2回目 F - 2 |
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平均(mg/l) | 0.21 | 0.52 | 0.18 | 0.23 | - | 0.26 | 0.39 | 0.22 | 0.36 | 0.15 | 0.15 |
酒量レベル4(ビール1,000ml+ワイン720ml/純粋アルコール160g程度)
検査機 | A | B | C | D | E | F | |||||
1回目 A - 1 | 2回目 A - 2 | 1回目 B - 1 | 2回目 B - 2 | - | 1回目 D - 1 | 2回目 D - 2 | 1回目 E - 1 | 2回目 E - 2 | 1回目 F - 1 | 2回目 F - 2 |
|
平均(mg/l) | 0.55 | 0.74 | 0.24 | 0.25 | - | 0.53 | 0.64 | 0.33 | 0.42 | 0.15 | 0.15 |
※平均/検査対象者から検出されたアルコール濃度の平均値
実測データ(全体)
推奨機器
A、E
所見
- 半導体センサー式の検査機器は価格帯に幅があり、また測定の中で機器によりバラツキが多く見受けられた。
- 機器にもよるが、測定の最低数値と最高数値にも幅があり、中には『道路交通法』で定められる飲酒運転と見なされる数値(0.25)以下の数値しか表示しない機器もあり、全く意味をなさなかった。
測定方式に半導体と電池式があるが、半導体はコストが低価格で済み、精密高価な機器から安価な機器と幅広く販売されている。今回の同条件の測定では、半導体機器の測定で特に数値に幅があった。
機器に吹き付けるタイプでは、呼気を感知する部分から風量を一定に吹き付ける事が難しく、2度、3度と繰り返した事もあるが、その度に数値に相違がある事も。
また、管(ストロータイプ)では、呼気が逃げる事が無い為、半導体式の精度にもよるが、数値にバラツキは少なかった。
一方、燃料電池式では(1機器だけではあるが)コストは高くなるが、管式でもあり、半導体式と比較しバラツキが少なかった。
また、複数人の測定も記録できる等、多種機能有り。
- 以上の事から、燃料電池式ハンディータイプは、コスト高ではあるが高精度は高であると見受けられる。反面、半導体式測定器はあくまで『目安』と捉えた方が良いだろう。
個別総合評価(1~5)
A:5 | それぞれの酒量レベルで安定した測定結果を示し、かつ、安価である。 |
B:4 | それぞれの酒量レベルで安定した測定結果を示すも、ハンディータイプとしては高価である。 |
C:1 | 開封後、全く機能せず評価の対象にならない。 |
D:3 | おおむね、それぞれの酒量レベルに即した測定結果を示すも、突発的に高い測定値を示す場合がある。 |
E:5 | それぞれの酒量レベルで最も安定した測定結果を示し、かつ、安価である。 |
F:1 | どの酒量レベルで測定してもほとんど数値が動かず、全く信用できず、しかも高価である。 |
以上